堺フィルムオフィス

映画「嘘八百」ロケ地マップ

歴史と文化あふれる堺の街で、笑いあふれるドラマが誕生!


©2018「嘘八百」製作委員会

茶人・千利休のふるさと堺は「ものの始まりはなんでも堺」といわれるように、中世では文化・技術発祥の地でした。そして、2018年、ここ堺の地で、千利休の幻の茶器をめぐるお宝コメディ「嘘八百」が産声を上げました。
骨董コンビに中井貴一と佐々木蔵之介を迎え、一発逆転のお宝騒動を巻き起こす”極笑”エンターテインメント。


©2020「嘘八百京町ロワイヤル」
製作委員会

堺発祥の技術と文化が、やがて全国各地に広がっていったように、映画「嘘八百」もホームの堺から京都へと舞台を移し、2020年、映画「嘘八百 京町ロワイヤル」で骨董コンビが再び大活躍します。面白さもスケールも、開運招福度も大幅にアップしたお宝コメディ第二幕。日本中に“笑福”をお届けします。

1作目と2作目のロケ地を巡って嘘八百の世界を感じませんか?
映画のロケ地となった堺のまちを紹介します!

  • 1.ワンカルビ堺西店(1作目)

    則夫といまりが母親の話をする焼肉屋のシーンを撮影

  • 2.旧堺燈台(1作目)

    則夫と佐輔、学芸員の田中が海に沈む夕日を眺めているシーンを撮影

  • 3.ホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺(1作目)

    若かりし佐輔の作品が表彰された授賞式会場だけでなく、チャペルやスカイラウンジなどいくつかのシーンを撮影

  • 4.ビジネスホテルニュー大浜(1作目)

    則夫といまりが宿泊していたビジネスホテルのシーンを撮影

  • 5.さかい利晶の杜(1作目)

    利休の和歌の解釈について則夫と佐輔が話をするシーンを撮影

  • 6.(株)松倉茶舗(1作目)

    佐輔の回想で登場する樋渡の店「樋渡開花堂」のシーンを撮影

  • 7.(株)小森商店(1作目)

    則夫が樋渡と棚橋にしてやられるシーンを撮影

  • 8.堺市博物館(1作目)

    則夫と佐輔に学芸員の田中が住吉祭礼図屏風を見ながら解説をしているシーンを撮影

  • 9.寿司廣(1作目)

    佐輔から利休の茶碗をだまし取れると決まった則夫がいまりと祝杯あげる寿司屋のシーンを撮影

  • 10.桑田産業(株)(1作目)

    桐箱を作る材木屋の回想シーンを撮影

  • 11.(有)堺美術オークション会(1作目)

    業者向けに行われる古美術・道具市に則夫や棚橋、樋渡が参加しているシーンを撮影

  • 12.居酒屋おやじ(1+2作目)

    1作目:西田がマスターを務め、則夫と佐輔が悪だくみをする居酒屋「土竜」でのシーンを撮影
    2作目:骨董コンビと偽造達人の仲間が、アジトでコンゲームの作戦会議を行うシーンを撮影

  • 13.宮川芳文堂(1+2作目)

    1作目:譲り状の材料となる紙を切るよっちゃんの回想シーンを撮影
    2作目:よっちゃんが嵐山堂の先代から届く偽手紙に使う紙を作るシーンを撮影

  • 14.ハーベストの丘(2作目)

    佐輔が魂を込めて作りだした幻の器を登り窯で焼くシーンを撮影

映画『嘘八百』から紐解く堺で生まれた文化と歴史

四百年前の「黒織部」から堺の歴史に思いを馳せる

 1作目で、則夫(中井貴一)と佐輔(佐々木蔵之介)が千利休について調べている際、行く先々で神出鬼没に登場する、塚地武雅扮する熱心な学芸員・田中四郎が強く印象に残っている人も多いと思います。彼のモデルとなっているのが、「さかい利晶の杜」と「堺市博物館」に学芸員として勤務する矢内一磨さんです。1作目でもプロット協力として関わっていた矢内さんが、「潮風が濃厚に漂う堺で生まれ育った利休の精神を現している」と製作陣に語った話から“カモメ”のアイデアが生まれ、劇中に使われた“カモメ”のサインも矢内さんが手掛けるなど、『嘘八百』との繋がりは深く、2作目でも矢内さんが話した「はたかけ」にまつわるアイデアが取り入れられています。矢内さんによると、「茶人の中でも、そして利休の弟子の中でも古田織部は“歪み”で芸術を表現した個性的な人。「さかい利晶の杜」では、堺市内の四百年前の地層から出土した「黒織部」を展示していますが、その他にも四百年前の大阪夏の陣で堺が燃えた時に、固まった茶器などが展示されています。これらも四百年前と現在を繋いでいるんです。この辺りを30cm掘れば、与謝野晶子が、約120cm下には利休が歩いた地面が出てきます。堺は実際に彼らの足音が交錯した場所で、四百年前と夕陽も風も変わっていません。時間は違っても、空間は一緒なんです。ぜひ、ここで利休と織部のいた時代に思いを馳せてほしいと思います」

  • 『嘘八百』シリーズ2作とも、神出鬼没に登場する塚地武雅扮する学芸員・田中四郎。
    『嘘八百 京町ロワイヤル』でも、古田織部の幻の茶器「はたかけ」にまつわる一説を披露。

  • 塚地武雅扮する学芸員・田中四郎のモデルとされる矢内一磨さん。熱のこもった解説に思わず聴き入ってしまう。

  • さかい利晶の杜で展示中の400年前の「黒織部」(堺環濠都市遺跡出土)。
    様々な角度から見てみたい。

利休と織部の物語を感じられる南宗寺

 大坂夏の陣での焼失後、寺地を現在の場所に移し、建立された国指定の重要文化財の仏殿や、千家一門の供養塔などを擁する南宗寺。利休や織部の歴史を辿るうえでは外せない場所です。「千家の供養塔は、利休の徳を讃えた人たちが作った、利休を祀るための場所。利休の精神を感じてもらえると思います」と矢内さん。
 また、「こうして人々が利休を感じる場所を作っているのも、利休が堺で生まれ育ったからこそ。堺に関わる歴史的な人々の痕跡が集まっているのが、南宗寺なんです。利休はもちろんですが、江戸時代以降に利休を慕い、功績を讃え、後世に伝えた人たちの思いも同時に考えてもらいたいですね。織部は利休の弟子なので、茶道という文化を戦国の世で伝えあった利休と織部の物語もここで感じてもらえると思います」

  • “古田織部好みの庭”である国指定の名勝「枯山水の庭」。
    織部の作風に惹かれた人たちの足音も聞こえてくるよう。

  • 利休好みの茶室・実相庵(じっそうあん)。
    千家の聖地である南宗寺の中でも、特に趣深い。

  • 千利休を中心とした三千家の供養塔。毎年2月下旬には、利休を偲ぶ茶会も催されている。

南宗寺観光情報

四百年の歴史の経過を感じる織部の“歪み”

 1作目で大騒動を巻き起こした利休の形見の茶器「大海原」と、2作目の騒動の中心となる、茶碗の端が欠けた部分を銀繕いした古田織部の幻の茶器「はたかけ」。
これらを作ったのが、堺在住の陶芸家・昼馬和代さんです。今回は、本物の古田織部の茶器を借りることができたことによって大きな影響があったそうです。
「作り手としては、茶碗の端が欠けて繕われるまでの物語にすごく思いを馳せることができましたし、今回は手に取って触ることができたので、360度穴があくほど見て、触れて四百年の歴史の経過を感じることができました。また、驚くほど手に馴染むことに加えて迫力を感じました。あの当時は、割れた茶器に金や銀を継ぐことが、ひとつの遊びとして流行っていたんです。今ある物をどんどん良くしていくのが今の時代ですが、この頃は、ガスも電気も何もないところから作り上げていく時代なので、ひとつひとつが進歩であり、新しいことだったんです」
 さらに、織部についても語ってくださいました。「織部は利休の弟子で、堺にも関わりの深い方です。利休がいなければ、織部が茶道をしていたかどうかもわからないと思います。元々丸いものを歪めた、織部の“歪み”は、遊びのひとつであり、当時においてはもっと面白い物を作るという大きな革新であったはずなんです。また、四百年前は、武家社会で制約も多く、身分制度があり、ひとつ間違えば大名に殺されてしまう時代です。織部が命がけで作ったその気迫と革新を忠実に表現したつもりです」

  • 『居酒屋「土竜」のカウンターで、佐輔(佐々木蔵之介)が作った「はたかけ」を見つめる佐輔の妻・康子(友近)と息子の誠二(前野朋哉)。

  • 撮影のために作った「はたかけ」を持つ昼馬さん。今回は、1作目より製作期間が短く苦労されたそう。

  • 昼間さん作の「はたかけ」。劇中に出てくる「はたかけ」以外の佐輔の作品は、堺の陶芸家阪本健さんの製作。堺の作家さんの力が、たくさん映画に詰まっています。

堺は日本最古の窯業地帯であり陶器の原点です

 2作目で、則夫(中井貴一)と佐輔(佐々木蔵之介)が「はたかけ」の贋作を焼くシーンの撮影に使われたのが、ハーベストの丘にある、堺市内では唯一の登り窯です。
「四百年前、全て自然の力で焼き上げる登り窯は最先端でした。だから、この映画の織部の「はたかけ」と登り窯というのは、時代背景にマッチしています」と語るのは、ハーベストの丘の陶芸工房にいらっしゃる階元龍一さん。
 階元さんによると、「堺は日本最古の窯業地帯であり、陶器の原点なんです。堺には古墳時代から平安時代の約五百年間に約九百基の須恵器窯が国家管理体制の基で築かれていたという、窯と焼物の歴史があります。管理体制が終わったことで、陶工たちが地方に散らばり、それが信楽焼や備前焼の始まりだと言われています。登り窯も須恵器窯も、自然をいかに理解しながら作品を仕上げていくのかがポイントになるんです。例えば、温度が上がらなければ、目盛りを合わすのではなく、どこに原因があるのか窯と対話しながら進めていかなければなりません。今は電気窯で焼かれた焼物が多いですが、焼肉で例えると、電気やガスで焼いた肉よりも、炭火で焼いた肉の方が美味しいですよね。そのぐらい遠赤外線や自然の力で仕上げた作品は格別に風合いが違いますし、使えば使うほど器が育つのが自然の窯の特徴なんです」
 そんな須恵器を焼く体験が、毎年8月に行われているそう。「ぜひ、自然の力で仕上げた実際の須恵器に触れてみてください」

  • 劇中、則夫(中井貴一)と佐輔(佐々木蔵之介)が、「はたかけ」の贋作作りに勤しむシーン。実際に窯に火を入れて撮影された。

  • 登り窯の前に立つ階元さん。陶芸家でもあり、須恵器に再び光を当て、復活され る活動も進めているそう。

  • 陶芸教室で販売もされている須恵器のマグカップ。これで飲むと珈琲はよりまろやかな味わいに。

関連スポット

  • さかい利晶の杜

    『堺が生んだ天下の茶人・千利休と、日本近代文学を切り拓いた歌人・与謝野晶子の生涯や人物像などを通じて、堺の歴史・文化の魅力を発信する文化観光施設。

    さかい利晶の杜観光情報

  • 堺市博物館

    歴史、美術、考古、民俗などの資料を展示、堺の歴史と文化を理解できる博物館。堺の泉北丘陵から出土した須恵器が多く展示され、堺の歴史が感じられる。

    堺市博物館観光情報

  • ハーベストの丘

    甲子園球場約8個分の広さの農業公園。四季折々の花、そして自家製造のソーセージや 乳製品も味わえる。陶芸教室などの手作り教室も。2020年3月下旬にシルバニアパーク が関西初オープン。

    ハーベストの丘観光情報

  • 旧堺燈台

    堺旧港南波止場に明治10年築造された高さ11.3mの六角錘形の灯台。埋め立てが進み役割を終えた後、堺のシンボルの一つとして保存、現地に現存する日本最古の木造洋式灯台として国指定史跡になっています。

    旧堺燈台観光情報

  • ホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺

    南海線堺駅西口に直結、なんばへ9分、関西国際空港へ35分、USJへ車で20分とアクセスが便利なアーバンリゾートホテルです。

    ホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺観光情報

  • 松倉茶舗

    1818年創業。堺とお茶は昔より深いつながりがあり、今でも色々なお茶席、お寺様をはじめ幅広く御愛顧いただいております。

    松倉茶舗観光情報

  • 小森商店

    茶聖千利休のふる里堺において茶道具全般を扱う専門店です。豊富な品揃えから全国の方々にご愛顧頂いています。当社ビル内に茶室「南游菴」を設けお茶会、お稽古にお使い頂いております。

    小森商店観光情報

  • 宮川芳文堂

    大正13年創業。一級技能士が手掛けるミニ掛軸「KOFUN軸」「SACAY軸」は和室・洋室に気軽に掛けることができます。

    宮川芳文堂観光情報

  • 居酒屋おやじ

    アットホームな雰囲気でサラリーマンさんからファミリー、女子会など満足してお帰りいただいてます。

    居酒屋おやじ観光情報