2月14日、19日、20日に開催した「さかいシネマウィーク」が閉幕、そして「さかいシネマクロスワード」の応募&当選者への商品発送も無事に終了いたしました。多くの皆様に「さかいシネマウィーク」へご来場頂き、そしてクロスワードクイズへのご参加、誠に有難うございました!
こちらでは、イベントレポートと堺フィルムオフィスだけが知っている映画製作時の裏話をちょこっとだけご紹介します。
当日お越しいただく事が出来なかった方も是非ご覧ください♪
★イベントレポートその1「さかいシネマウィーク」初日2月14日(月)フェニーチェ堺小ホール★
待ちに待った日になりました。2022年に設立10周年を迎えた堺フィルムオフィスですが、上映会を実施するのは今回が初めなので皆ドキドキです。 2月14日は「MIRRORLIARFILMS SAKAI2022」として、堺フィルムオフィス×MIRRORLIARFILMSによるコラボイベントを行いました。
会場に入ると舞台上で、MIRRORLIAR FILMS Season1、Season2のポスターがお客様をお出迎えします。短編作品計18作品のポスターを掲示して会場を彩りました。司会は、MIRRORLIARFILMS映画プロデューサーで女優の下京慶子さん。堺シネマウィークオープニング動画が流れ、開幕となりました。
MIRRORLIARFILMS PROJECTは、総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開しています。「MIRRORLIAR FILMS Season1」の一篇「暴れる、女」は、映画「嘘八百」の武正晴監督、主演・友近さんによるオール堺ロケの作品でした。
【「暴れる、女」ロケ地情報などはこちらをチェック!】
「映画って何だ?映像製作の魅力」のトークセッションでは、MIRRORLIARFILMS Season2内の一篇「The Little Star」で、堺ロケを行った山田孝之氏、「インペリアル大阪堂島出入橋」で大阪市内ロケを行った佐藤浩市氏と三島有紀子監督にご登壇頂きました。
堺市の印象や映画の見どころ、撮影の裏話などを語って頂きました。
「MIRRORLIAR FILMS Season2」は、全国劇場公開に先がけた先行上映会となりました。
永藤堺市長、堺フィルムオフィス隈元会長による登壇後、トークセッションに引き続き、山田孝之さん、三島有紀子監督、佐藤浩市さんによる舞台挨拶を行いました。
Season2の見所は、それぞれが違うテーマで撮影された作品なので、見る側は大変かもしれないが、映画を見終わった時に作品の解釈について、観た人同士で話し合う、そんな楽しみ方もショートフィルムの良さ。一本通してみた時に、このコロナ禍の中でそれぞれが感じるものをアウトプットしている作品になので、是非それを感じてほしい。
「インペリアル大阪堂島出入橋」は朝4時16分からの11分間の長回しのワンチャンスにかけた撮影。小さな偶然が重なり、映画の神様が舞い降りた現場だった、とそんな貴重なお話をして頂きました。
★2月14日特別取材の様子★
今回短い時間の中で特別に取材させて頂きました。堺でロケを行って印象に残った事、堺のイメージや、これからの映画製作について聞いてみました。
山田さん:堺で印象に残っているのは堺駅近くの市場(堺魚市場)です。イメージが昔ながらで、映画に向いているなと思いました。また酒を飲んでいる地元の方の個性が強くて面白かったです。トータルで3日いたんですけど、ずっとアクションしていたんで2日間は外(体)が痛かったです。残りの1日は外にいましたけど、中(心)が痛かったですね。その中でも、家族と公園で遊ぶシーンとかはのんびりしていて癒されました(笑)
三島監督:堺は阪本順治監督の出身地ですよね。「The Little Star」で出てきた橋の下(南蛮橋)のシーンがとても良くて、私もあそこで撮影してみたいなと思いました。こんなところあるんだと思いました。また、南海電車さんのシーンも、あんなに自由に撮影させてくれるんだ!とその自由度にびっくりしましたね。あと、今日会場来る前に商店街を通ってきたんですけど、現代のものと混じりながら、堺は昭和の古い街が残っているいい環境だなと思います。
【短編映画の良さは?】
佐藤さん:情報量が最低限なのが短編映画なので、見る人によって色んな広がりをもって、出てくる人物を見て頂きたいなと思います。どんな風に受け止めて、自分の人生に対してどんな風に照らし合わせて考える事が出来るのか、その自由度の高さが短編映画の良さだと思っています。
【映画の見どころは何ですか?】
三島監督:山田さん、松本まりかさんの演技が素晴らしいですね。
山田さん:今回出演させていただいた紀里谷監督の「The Little Star」は台本にセリフがなく、現場ですごく考えさせられました。何 を伝えたいのかを監督と話し合いながら作り上げていきました。ドキドキもするしワクワクもした、すごくやりがいのある現場でした。情報量が限られているので、見る側も作る側も試されるし、どんな人物でなぜこれを作ったんだろうとか考えさせられる。俳優はたまには短編をやって、考える力を養わなきゃいけない、と思うくらい短編に出る事のありがたさを感じたし、勉強になったと思います。
佐藤さん:今回の三島監督の『インペリアル大阪堂島出入橋』では特殊な世界観があって、ワンカットで800m走破するシーンがあります。40年やってきて、この長回しちょっと無理だよって話をしたけど、どうしてもやりたい、撮るんだって、三島有紀子っていう監督がこれを成立させると。その執念ってゆうんですかね。ワンカットで撮ることがすごい事でもないし、800M走破を撮る事がすごいことでもなくて、ただその中で感じる60過ぎた男の夜明けでもない、白みかけたその時間をそこにいるっていう、それをワンカットで撮りたいという三島監督の執念がこの映画を完成させたんだろうなと思います。あと、色んな場所でその地域のお国言葉を使うんですが、関西弁は毎回バチモンやといわれるので、関西弁の役は毎回怖いんですよ(笑)
山田さん:僕も分かります(笑)
【堺の皆さんに一言お願いします】
千利休の記念館にさっき行ってきましたが、お茶を頂いて展示を見てすごく素敵な所でしたね。映画では、普段みなさんが行く商店街だったり、行き来しているところだと思うんですけど、そこに一個フィルター、世界観が入ると全然違った見え方が出来るので、地元の人が普段見ている景色だからこそ、またちょっと違った見え方できて面白いんじゃないかなと思います。是非、MIRRORLIARFILMSSeason2ご覧ください。
★山田孝之さんがさかい利晶の杜に!「The Little Star」衣装&美術展示★
山田さん、松本まりかさん演じる夫婦の衣装や、劇中のアクションシーンで山田さんが着ていた衣装や美術小道具等々、さかい利晶の杜茶室広間で展示(2月14日~18日のみ)を行いました。
映画を観た人はパンダが置かれている理由もわかるかと思います。
茶室に入ってすぐのパンダの着ぐるみ展示には、山田さんもびっくりされていました。
「The Little Star」のロケ地は全10か所あり、堺のどこで撮影されたのか、一目で分かる様にロケ地マップも設置していたのですが、堺区の中心地でロケが行われていた事を山田さんにお伝えすると、撮影の合間にゆっくりする時間もなかったから街中のこんな近場で撮影をしていたと知らなかった!と驚かれていました。
春になり、暖かくなってきているので、是非「The Little Star」ロケ地めぐりもいかがでしょうか。
★ちょっとここで一息♪「The Little Star」製作時のロケ風景や裏話★
映画を見た方は、南海電車の車内、南海本線堺駅などがロケ地になっている事が分かるかと思います。
劇中では、走行中の車両になっていますが、実際は車庫内の車両を使用しました。窓からの風景は全てCGで合成していたんです。
今回撮影で使用したのが、車両の点検や掃除、電車の出番までの待合室となる、住ノ江車庫。南海電鉄さんのご協力で可能になりました。ここで丸2日撮影が行われました。
紀里谷監督、スタッフの皆さんと共にヘルメットを被って南海電鉄の住ノ江車庫へ行ったのですが、真夏だったので、暑さに負けずアクションシーンを想定したロケハンを複数回行いました。
(堺フィルムオフィスも車庫ロケの立ち合いは初めてだったので、良い経験になりました!)
★イベントレポートその3「さかいシネマウィーク」堺まちなか映画上映会2月19日(土)★
堺まちなか映画上映会の1日目(2月19日)は、本願寺堺別院会館で開催しました。
2016年に制作された「セトウツミ」と2018年に制作された「四月の永い夢」を上映しました。
上映前には、映画関係者によるコメント動画として、「セトウツミ」原作者の此元和津也さんに取材し、ロケ地として堺を選んだ理由等今回のイベント用に特別コメントを頂きました!
「セトウツミ」を描こうと思われたきっかけは、当時なんにもやる気が出ない時に、それでもありがたいことに色んな会社の編集者さんが会いに来てくれて、あまりの申し訳なさから、その場しのぎ的に書いたネームがきっかけだとか。自分の無気力さがそのまま表現された作品という事でしたが、あの秀逸な会話劇に繋がるなんてすごいですよね。
「堺」というまちの印象については、生まれ育った街ではないが、路面電車が走っていたり、公園に猿の飼育舎があったり、静かでレトロで大好きな街。ただ、セトウツミの1巻が出た時、内川から一番近いTSUTAYAに見にいったら2冊しか置いてなかったので舌打ちはしました(笑)とのコメントで、会場を笑わせました。
映画ファンの方には、是非原作も見て頂きたいです。此元先生、ご協力ありがとうございました!
「四月の永い夢」では、三浦貴広さん演じる注染職人・志熊が働く工房として、映画のロケ地となった北山染工場・北山社長にロケ裏の話や思い出をインタビューしました。こちらの内容は、堺フィルムオフィスの公式インスタグラムにアップする予定なので、よかったらぜひフォローをお願いします!
映画の舞台は、東京・国立市ですが、工房内のシーンは堺で撮影され、撮影は深夜にまで及んだとか。
北山社長も志熊の師匠役として、映画に出演されているので、当時の感想等を語って頂いています★
★イベントレポートその3「さかいシネマウィーク」堺まちなか映画上映会2月20日(日)★
2日目はホテル アゴーラ リージェンシ ー大阪堺で開催しました。映画「嘘八百」のロケ地にもなっているホテルで、ここでは、2020年に制作された「種まく旅人~華蓮のかがやき~」と2018年に制作された「噓八百」を上映しました。
本編上映前には、特別に「種まく旅人~華蓮のかがやき~」から、井上昌典監督、映画プロデューサーの中嶋等さんからのコメントをお楽しみ頂きました。
井上監督:
堺市でのロケの際は、堺市の皆様にご協力いただき、大変感謝しております。今でも堺ロケのことは鮮明に覚えており、まだほんの数か月前にロケをしていたような感覚でおります。堺市は古墳や骨董、刃物が有名で、歴史・文化の残る街。そこにチン電が走り、昭和の香りがするアーケードの商店街。天ぷら「大吉」さんのある、堺魚市場など、ローカル感のある風情と高層ビルの堺市役所やフェニーチェ堺などの近代的な建築物もあって、古き良きものと新しいものとかバランスよく融合された街だったと思います。堺フィルムオフィスさんの協力体制もすばらしく、気持ちよく撮影ができ、感謝の言葉しかありません。今回の種まく旅人も農業と農業の携わる人たちを描いた作品になっており、これまで種まくシリーズをご覧になってきた方の期待を裏切らない作品に仕上がっていると思います。ぜひ、期待してご覧ください。
中嶋プロデューサー:
思い起こせば撮影は2019年9月のことでした。その節は、堺フィルムオフィスさん、ロケ場所の皆さん、そしてエキストラでは堺市の皆さまに大変お世話になりました。お礼申し上げます。物語の冒頭から、地元皆さんおなじみの風景や、堺市役所が登場しますから、お楽しみください。物語は、堺市で働く30代の恋人同士が「そろそろ結婚しようか」ということから始まります。これからの仕事や人生をどう歩んで行くか、そのターニングポイントが描かれます。作品のテーマである農業とのかかわりの中で、自分たちの進んでいく道を決めていきます。この映画が皆さまの共感を得て、心に残る一編となりますよう、そんな願いを込めてこの映画を製作いたしました。映画の中のセリフで、「野菜のレンコンってなんで穴があいてるのでしょうか」との質問がございます。この映画をご覧になった皆さま、それぞれがその答えを見つけれますよう、そして皆さまの身にもささやかな奇跡が訪れますよう願っております。ぜひお楽しみください。
「嘘八百」は、劇中で塚地武雅さん演じる田中四郎学芸員のモデルになった、さかい利晶の杜の矢内学芸員のコメント動画をご覧いただき、田中四郎学芸員誕生秘話や、映画の見所等を存分に語って頂きました。
こちらも、後日公式インスタグラムにアップする予定ですので、まだフォローしていない方はぜひこの機会にお願いします!
★その4「さかいシネマクロスワード」正解発表★
クロスワードクイズの正解は、「ホウチョウ」でした!
堺は日本における刃物の三大産地の一つです。特に職人が一本ずつ手作りで仕上げる「打刃物」で名高く、プロの料理人用包丁では国内シェア約98%を誇るほど!
その極上の切れ味は、空前の和食ブームとも相まって、今世界の料理人たちからも熱い注目を浴びています。
「さかいシネマウィーク」にお越しいただいた皆さま、MIRRORLIARFILMSの皆さま、本願寺堺別院とホテルアゴーラリージェンシー大阪堺、携わった関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。初めての大イベントで、企画しているときはワクワクしていましたが、その反面不安もありました。コロナ禍ということもあり、パーテーション設置やソーシャルディスタンスを保つような受付列、座席の確保等で感染対策を行っておりましたが、当日は皆様の積極的な消毒等々のご協力をいただき、無事に終える事が出来ました。ありがとうございました!
ここで得た新しい知識や経験を活かし、また次のイベントへ繋げられるよう頑張って参りますので、これからも温かい目で見守っていただければと思います。
以上が、さかいシネマウィーク開催レポートでした。
引き続き堺フィルムオフィスの活動へのご支援、何卒宜しくお願い致します。
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